椅子を分解する
- Day:2022.08.09 20:11
- Cat:sonota

ひとつ、古い椅子が入荷してきた
それは70年代に辻木工が制作したアームチェア
20年前にはよく見かけたのに
最近はなかなか出会う機会がなくなってしまったモノのひとつ
【ヴィンテージ】と【アンティーク】の違いは、その古さ
色々な定義があるけれど、50年前くらいのものをヴィンテージ
100年以上前のものをアンティークと呼ぶのが一般的
辻木工のこの椅子も、2022年には立派にヴィンテージへと昇格したというわけだ
とはいえこの椅子、昔から苦手なところがふたつあって
それはビニルレザーの何とも言えない色合いと
フレーム塗装のテカテカした表情
カタチは割と好きなんだけど、どうしたものか
なんて、深刻ぶることもなくやることはとてもシンプル
苦手を取り除く
ただそれだけ
椅子なんてだいたいこんな感じ
カイ・クリスチャンセンだってイケアの椅子だって
ばらす工程と様子は同じ
折れたりしていなければ、きれいに外すことができて
元どおり組み直すことができる
シートを留めているタッカーの芯はびっしりと食い込んでいるから
ひとつひとつ丁寧に取り除いていく
これが一番地味な作業
フレームはテカテカの塗装を剝がしてから磨く
ひたすら磨く
素地が表出して、滑らかになったらオイルを塗布
木部はそれをよく飲み込んで潤いを取り戻す

ファブリックはグレー系をセレクト
背もたれのグレーに対し、シート部分は濃いめにしてツートンで仕上げた

仕上げながらいつも思う
これをまた誰かが張り替えたり、直したりするのかな
一瞬手が止まりそうになって、そんなことを考えている自分が可笑しくて
でも、未来のその人に笑われないように仕事をする
今日も1脚仕上がりました
辻木工 Vintage Armchair アームチェア
sonota
お問い合わせはこちらから・・・・・ask@sonota.jp
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